和紙と洋紙
みなさんは和紙と洋紙の違いをご存知でしょうか?読んで字のごとく、和紙は日本で古くから作られてきた手漉きの紙で、洋紙は西洋から来た技術(抄紙機)で作られた紙です。
和紙は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの繊維の長い靭皮(木の外皮のすぐ内側にある柔らかい部分)繊維を使用し、非常に耐久性に優れています。その保存性は1,000年以上もつともいわれ、世界中の文化財の修復などにも使用されていることは有名です。和紙の特長が見られる身近な例にはお札があります。お札は三椏、マニラ麻など、いわゆる和紙に使用しているような原料からできています。お札をポケットに入れて、そのまま洗濯してしまったことがある方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。レシートやティッシュペーパーはボロボロになるのに、お札は破れたりしないのは和紙の技術が生かされた紙だからです。和紙は手漉きの紙だと前述しましたが、今では機械で抄紙される和紙(機械抄き和紙)も多くありますが、それらを含めて和紙と呼ぶことが一般的のようです。
対して洋紙は、おもにマツやモミなどの針葉樹、ユーカリやポプラなどの広葉樹の木質繊維(木材パルプ)を原料として、抄紙機で生産される紙のことです。中には、サトウキビの絞りカス(バガス)や竹などを原料とした洋紙もあります。日本での洋紙の生産は明治時代に始まりました。普段我々がよく目にする新聞、雑誌、チラシのほとんどが洋紙で、紙全体の生産量のうち99%以上が用紙です。洋紙は和紙に比べると強度・保存性では劣りますが、機械での大量生産によるコストダウンや品質の均一性、高い印刷適性などのメリットがあります。洋紙は、新聞用紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙と板紙に分類されます。それぞれ、用途・原料・生産方法などが異なります。
洋紙の各分類の詳細はまた別の機会に紹介させていただきます。